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鳥獣保護法

 鳥獣保護法という法律がある。野生の鳥や哺乳類を許可無く捕獲、損傷、死傷させた場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金になるというものだ。

 具体的には、屋根裏に棲みついた哺乳類のハクビシンやテンを追い出すことは良いが、捕まえて処分するのはダメである。ツバメやスズメ、ハトなどの鳥類が巣を作り、卵が無ければ撤去しても良いが、卵やヒナが居るとアウトである。ハトの巣が邪魔だからと、卵がある巣をそっと移動してもアウトなのだ。

 そう、工事中の仮設足場に作られたハトの巣も移動できないのだ。

 法律云々より、懸命に卵を抱くハトを見てしまうと温かく見守りたくなる。施主さまからは、工期も含めて判断は本郷さんにお任せします。と、あたたかいお言葉を頂いた。

 ハトの営巣から巣立ちまではおおよそ1ヶ月かかるらしい。1ヶ月工期が延びるのもどうかと思い、市役所に相談した。返答は、ハトは市に、卵は県に駆除業者からそれぞれ申請してもらい、1週間ほどで許可が出る。。。すみません。率直な感想ですがめんどくさいです。

 施工業者さんには巣と卵やヒナを踏まないように気をつけてもらって、仮設足場は巣立ってから撤去する方向に気持ちが固まっていたが、ある日巣の卵が無くなり、周りにハトの羽根が散乱していた。多分カラスに連れて行かれたのだろう。

 卵が孵って巣立ちまで見守るのを楽しみにしていたので気落ちしてしまった。

 ハトを見守る側からすれば可哀想だが、カラスからすれば日々の生きる糧である。

 鳥獣保護法は野生の世界には無力なようだ。

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富山県中小企業ビヨンドコロナ補助金活用事業(令和4年12月20日作成)