空間工房

  • コラム

シンプルに考える

 ずいぶん前だが、依頼があればどんな仕事でも請けていた頃があった。売り上げと知名度を上げ、地元では知らない人がいないほどの大きい会社にしようと意気込んでいたのだ。

 お客さんの前でいいカッコをしようと無理をして、社員や業者さんに無理を強いることが多々あり、自分がいちばん仕事をしていると思っていた。もちろん空回りだ。イタいねぇ。空回りにはもちろん大きなツケが回ってくる。代償も大きい。

 自分に出来ることはなんだろう?と、かなり悩み、難しく考えれば考えるほど悪循環になったが、シンプルに考えれば案外答えは簡単に出た。

 幅を広げ過ぎず、自分が自信を持って出来ること、設計やコーディネート、現場管理を通して、お客さんのためになることにコツコツ取り組む。

 向いていない、営業や駆け引きはしない。

 自社の知名度や会社規模は気にしない。

 施主さんからの依頼以外の仕事は断る。(同業者さんの下請けだと、お客さんの要望や想いを直接聞けないからだ。)

 自分の器以上のことを求めない。

 そう決めたら空回りしなくなった。心も軽い。

 人はつい、ほかの人に良く見られたくて、自分のことを大きく見せようと思ってしまいがちだが、虚栄心を捨てシンプルに考えることで、広いと思い込んでいた小さな世界から脱却できるのだ。

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富山県中小企業ビヨンドコロナ補助金活用事業(令和4年12月20日作成)