「家づくりは幸せ作り」ではありません。

　なぜなら、家を建てたことで得られる幸福感は長続きしないからです。

　周りの人よりいい家を建てた優越感に幸せを感じていても、近所にもっと立派な家が建つとうらやましくなり、幸福感が薄れてしまうのです。

これは、高級車を買った。ブランド品のバッグを買った。他の人より高い地位に立った。他の人よりたくさん稼いだ。などと同じで、「地位財」といい、それらで得られた幸福感は長続きしないのです。

　自分より優位に立った人を見ると、負けずにもっと欲しくなり、常に自分を人と比べているので、すぐに心が満たされなくなります。

　なんだか寂しい考え方ですね。

　相対するものに「非地位財」があります。

　何事にもやり甲斐を持ち前向きに進む、縛られることなく自分らしく生きる、愛を育む、など、心の充足を実現することで幸せを感じます。他の人と比べての優劣は気にしないので、得られる幸福感は長続きするのです。

　マイホームではどうでしょう。

　最近は、趣味を楽しんだり、おうち時間を有意義に過ごせる家が増えていますが、自分らしく満たされた暮らしを求める人が増えたからではないでしょうか。

　家族みんなの笑顔や、ゴハンが美味しいとか、ちょっとしたうれしさに幸せを感じます。日々の暮らしの中で辛いことがあっても、前向きに考え乗り越えた先にある達成感や、それらの積み重ねで長く幸せを感じられるのです。

　家を建てて、住む人の心持ちひとつで幸福感が違うとすれば、長く幸せを感じられるほうがいいに決まっていますよね。

　家づくりは、自分らしく暮らす、「幸せを育む場所作り」なのです。

　あなたがいつも幸せでありますように。